食物繊維は、人の消化酵素では消化できない成分の総称である。以前は、食物繊維は小腸からの栄養素の吸収を遅らせるものとして、意味のない、否かえって害のある成分だとされていたが、現在は、第6の栄養素にまで昇格するに至っている。
ところで、食物繊維には、水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けにくい不溶性食物繊維とに分けられる。前者には、果物に多いペクチン、こんぶやわかめなど海草類に多いヘミセルロース、大豆や海草類にあるガム質などがある。また、後者には、大豆や穀類などに多いセルロース、小麦ふすまや大豆に多いヘミセルロース、小麦ふすまや完熟野菜類に多いリグニン、かにやエビの殻に含まれるキチン質やごぼうのイヌリンなどが有名である。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は体内の働きが異なっている。すなわち、前者は、小腸での栄養素の消化吸収を遅らせる。また、有害物質を吸着して体外へ運ぶ働きをする。これに対して、後者は、消化管内で水分をかかえ込んで容積を増加させることによって便の量を増やして排泄を促進させる働きを持つ。
食物繊維は低エネルギーでかさを増やしやすいものとして、糖尿病、大腸がんなどの予防に効果があるとされる。ただし、飽くまで食物繊維はその物質的形状自体に有用性があるのであって、五大栄養素にいわゆる「栄養素」としての性質は本来は有するものではない。
野菜不足
少し前の話になるが、食品成分表が久方ぶりに改訂され、有機野菜とそれ以外の野菜の成分が分けて表示されるようになった。もちろん有機野菜の方がビタミンやミネラルの含有量が微量だが多い。そもそもビタミン、ミネラルは微量栄養素だから、微量でも違いは大きい。野菜の摂取不足は、端的に微量栄養素の不足につながる。
ただ、現代社会における野菜不足は、各種ビタミンの発見の歴史にあるような、脚気、クル病、鳥目などのような、不足で起こる典型的症例はほとんどないといっていい。典型的症例を避けるためだけなら、どこででも手に入る安価なビタミン剤、ミネラル剤1錠を口に放り込んでおきさえすればいい。また、野菜自体を食べないイヌイットは獣の内蔵肉や生肉からビタミンやミネラルの必要量を摂取している。
こうしてみると、野菜不足が単なるビタミンやミネラルの不足を指すことに止まるならば、現代社会においては野菜不足という言葉自体、死語となりうる。
これに対しては、第6の栄養素である食物繊維を上げて反論する野菜好きがいるかもしれない。確かに、食物繊維は、緩下作用が人によってはあり、また、悪玉コレステロールの吸収を阻害する機能が報告されている。しかしながら、緩下作用や悪玉コレステロール吸収阻害作用は、ひとつ食物繊維だけに限った機能ではない。さらに、万病のもとであるフリーラジカルなど活性酸素除去機能が野菜には期待されている。いわゆるファイトケミカルという、第7の栄養素とも呼ばれているものだ。数えきれないほどの種類を含むこのファイトケミカルは、その一つ一つの物質の有効性や副作用が研究されているところだ。物質の中には有効性が確認されたものもある。もし野菜不足という言葉が、現代的な意義を持つとしたら、個人的にはこの辺りにあるのではないかと考えている。今後の研究報告に期待したい。
ただ、現代社会における野菜不足は、各種ビタミンの発見の歴史にあるような、脚気、クル病、鳥目などのような、不足で起こる典型的症例はほとんどないといっていい。典型的症例を避けるためだけなら、どこででも手に入る安価なビタミン剤、ミネラル剤1錠を口に放り込んでおきさえすればいい。また、野菜自体を食べないイヌイットは獣の内蔵肉や生肉からビタミンやミネラルの必要量を摂取している。
こうしてみると、野菜不足が単なるビタミンやミネラルの不足を指すことに止まるならば、現代社会においては野菜不足という言葉自体、死語となりうる。
これに対しては、第6の栄養素である食物繊維を上げて反論する野菜好きがいるかもしれない。確かに、食物繊維は、緩下作用が人によってはあり、また、悪玉コレステロールの吸収を阻害する機能が報告されている。しかしながら、緩下作用や悪玉コレステロール吸収阻害作用は、ひとつ食物繊維だけに限った機能ではない。さらに、万病のもとであるフリーラジカルなど活性酸素除去機能が野菜には期待されている。いわゆるファイトケミカルという、第7の栄養素とも呼ばれているものだ。数えきれないほどの種類を含むこのファイトケミカルは、その一つ一つの物質の有効性や副作用が研究されているところだ。物質の中には有効性が確認されたものもある。もし野菜不足という言葉が、現代的な意義を持つとしたら、個人的にはこの辺りにあるのではないかと考えている。今後の研究報告に期待したい。
posted by 野菜 at 00:27| 日記
有機野菜宅配
有機無農薬ないし低農薬野菜の宅配業者と取引をして久しい。かれこれ10年以上になるだろうか。その間、夏期の異常気象から、それまでダンボールに並々と盛られた野菜類は、へたった野菜少々に、投げ入れられたような謝罪の紙切れが1枚、箱の奥に転がっていたこともあった。さすがにその時には、取引をやめようかとも思ったが、宅配してくれる人の小さな心配りに常日頃から感心してきたことも手伝って、そのまま止めずに今日に至っている。
有機野菜の宅配業者は、宅配形態をみると、宅配業一本型、小売宅配並存型、契約農家との個別取引型におおよそ分かれるようだ。契約農家との個別取引は、野菜の種類や出荷環境の影響を直接に受けることから、特殊野菜に限定した取引の場合が多い。他方、並存型は、当該店舗へ行けば同じような野菜が購入できることから、全国レベルの出荷取引に成功している業者は、生協以外ほとんどない。
ところで、有機野菜は、完全ではないが、健康生活をデザインしていく上での、一種の保険となりうる。個人的には、健康観を、「健康がすべてではない。しかし、健康がなければすべてがない。」と一言で言い表してきたが、食の方面からその健康観を充足させようとした場合、有機野菜が不可欠となる、と考えてきた。その際に頼れる存在、それが有機野菜の宅配業者なのだ。
健康をお金で買う時代の象徴的存在、それが有機野菜宅配業だといえなくもない。
有機野菜の宅配業者は、宅配形態をみると、宅配業一本型、小売宅配並存型、契約農家との個別取引型におおよそ分かれるようだ。契約農家との個別取引は、野菜の種類や出荷環境の影響を直接に受けることから、特殊野菜に限定した取引の場合が多い。他方、並存型は、当該店舗へ行けば同じような野菜が購入できることから、全国レベルの出荷取引に成功している業者は、生協以外ほとんどない。
ところで、有機野菜は、完全ではないが、健康生活をデザインしていく上での、一種の保険となりうる。個人的には、健康観を、「健康がすべてではない。しかし、健康がなければすべてがない。」と一言で言い表してきたが、食の方面からその健康観を充足させようとした場合、有機野菜が不可欠となる、と考えてきた。その際に頼れる存在、それが有機野菜の宅配業者なのだ。
健康をお金で買う時代の象徴的存在、それが有機野菜宅配業だといえなくもない。
posted by 野菜 at 00:27| 日記
野菜と健康
健康ブームが世の中を周期的に賑わす。医学的に証明されていない物質が、出ては消え、消えてはまた出る。諸外国の発表を、さも自分の研究成果のごとき態度で、かつ、副作用の話を間引いて、権威に弱い日本人を前にして、画面の向こうから、医者の肩書きを持つ人が、その効用をしゃべる。高価なまがいものが飛ぶように売れる。野菜の中のフラボノイドもその一つだ。
フラボノイド。野菜や果実に含まれ、主として外敵からの侵入から本体を守る役割を持つ化学物質群。有名なところでは、ワインに含まれるポリフェノール、大豆のイソフラボン、緑茶のカテキン(ポリフェノールの一種)、トマトのリコピン、にんじんのカロチンであろうか。
これらは、一時期抗がん効果やガン予防が期待されたこともあるが、カロチンは、喫煙者のガン発症率をかえって上げることが、カテキンのガン予防効果はないことがそれぞれ判明したことは記憶に新しい。その他も早晩その副作用が判明する可能性がある。
土地柄、野菜摂取量が極めて低いイヌイットが健康を維持していることや野菜嫌いが長寿を保つ例を上げればきりがない。また、植物の体を守る物質は、一種の毒であり、それを人の健康と関連付けて考えることに懐疑的な専門家もいる。また、百歩譲って、ファイトケミカルと総称される先の物質群が、試験管や動物実験レベルで有効だとしても、量的側面から有効性を考えた、人の場合の有効量は、とても「1缶で…」などで賄える量ではない。
このように、野菜が人の健康にどれだけ資するかということは、残留農薬と流通過程のビタミン減少の問題をさっぴいて考えても、摂取量的な問題と、ファイトケミカルにおける未知の副作用の問題がある点で、単一の物質で摂取するのは時期尚早の感があることは否めないところである。
フラボノイド。野菜や果実に含まれ、主として外敵からの侵入から本体を守る役割を持つ化学物質群。有名なところでは、ワインに含まれるポリフェノール、大豆のイソフラボン、緑茶のカテキン(ポリフェノールの一種)、トマトのリコピン、にんじんのカロチンであろうか。
これらは、一時期抗がん効果やガン予防が期待されたこともあるが、カロチンは、喫煙者のガン発症率をかえって上げることが、カテキンのガン予防効果はないことがそれぞれ判明したことは記憶に新しい。その他も早晩その副作用が判明する可能性がある。
土地柄、野菜摂取量が極めて低いイヌイットが健康を維持していることや野菜嫌いが長寿を保つ例を上げればきりがない。また、植物の体を守る物質は、一種の毒であり、それを人の健康と関連付けて考えることに懐疑的な専門家もいる。また、百歩譲って、ファイトケミカルと総称される先の物質群が、試験管や動物実験レベルで有効だとしても、量的側面から有効性を考えた、人の場合の有効量は、とても「1缶で…」などで賄える量ではない。
このように、野菜が人の健康にどれだけ資するかということは、残留農薬と流通過程のビタミン減少の問題をさっぴいて考えても、摂取量的な問題と、ファイトケミカルにおける未知の副作用の問題がある点で、単一の物質で摂取するのは時期尚早の感があることは否めないところである。
posted by 野菜 at 00:27| 日記
野菜の栄養素
栄養素といえば、タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルという5大栄養素が頭に浮かぶ。栄養素の分野は、公的私的、専門非専門を問わず、古今東西、研究し尽くされた感がある。しかし、いまだに、研究家の間でも健康を維持する上で必要な1日の所要量に関してはまとまった考え方がない。その理由として、栄養素の必要量は、年齢や体内の基礎代謝の違いによって、あるいは、その時々の健康状態によって、異なってくる。また、近年では、特に野菜の栄養素分野周辺での研究を通して、本来の栄養素以外の化学物質に注目が集まっている。食物繊維やファイトケミカルなどがその例だ。
野菜の栄養素の中で大切なのは、ビタミン、ミネラルで、これらは微量で様々な体内の機能に関係することから、特に微量栄養素と呼ばれる。このうち、ビタミンは健康状態の維持だけでなく、病態の改善という観点から研究がなされてきた。ここではビタミンに焦点を当ててみよう。
2度のノーベル賞受賞者である、生化学者で医師でもある故ライナス・ポーリング博士と米メイヨークリニックの論文争いは有名であるが、各々不利な条件をつきつけ合ったつばぜり合いは、結局のところ決着がつかずじまいで今日に至っている。論点は、大量のビタミンCの投与はガンに有効か、というものであった。現在もポーリング博士のメガビタミン主義の信奉者は多い。
各種ビタミンは、大きく脂溶性と水溶性に分けられる。脂溶性ビタミンである、ビタミンA、D、E及びKはその性質上過剰摂取は禁物である。他方、その他の水溶性のビタミンは極端な過剰摂取こそ問題となりうるが、基本的には余分なものは体外に輩出される。メガビタミン主義が脂溶性にまで及ぶとすると健康が憂慮されるので、気をつけたい。
野菜の栄養素の中で大切なのは、ビタミン、ミネラルで、これらは微量で様々な体内の機能に関係することから、特に微量栄養素と呼ばれる。このうち、ビタミンは健康状態の維持だけでなく、病態の改善という観点から研究がなされてきた。ここではビタミンに焦点を当ててみよう。
2度のノーベル賞受賞者である、生化学者で医師でもある故ライナス・ポーリング博士と米メイヨークリニックの論文争いは有名であるが、各々不利な条件をつきつけ合ったつばぜり合いは、結局のところ決着がつかずじまいで今日に至っている。論点は、大量のビタミンCの投与はガンに有効か、というものであった。現在もポーリング博士のメガビタミン主義の信奉者は多い。
各種ビタミンは、大きく脂溶性と水溶性に分けられる。脂溶性ビタミンである、ビタミンA、D、E及びKはその性質上過剰摂取は禁物である。他方、その他の水溶性のビタミンは極端な過剰摂取こそ問題となりうるが、基本的には余分なものは体外に輩出される。メガビタミン主義が脂溶性にまで及ぶとすると健康が憂慮されるので、気をつけたい。
